読書感想文

タイトル通り読書の感想です

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

文學界 2021年5月号 私の身体を生きる 第三回

この文章はエッセーである。少なくともそう冠されている。とすると、(動かしがたい)現実世界というものが存在することが前提ということである。いわば座標のようなものと考えてもいい。さらに言えば、その座標の中に著者が位置付けられているわけである。…

文學界 2021年5月号 霊的世俗性──フーコー『肉の告白』論

フーコーであるが、入門書としての新書を読んだぐらいの知識しかない。しかも忘れている。パノプティコンぐらいなら知っている程度である。申し訳ないがwikiネタを見ながらということになる。「性の歴史」第四巻、肉の告白の邦訳についてである。なんで、こ…

文學界 2021年5月号 Phantom

小説ということなので描き出される世界は、任意に構築されたものである。現実世界とは無関係なのである。とすると、読者にとって、この世界を構築したのはどういう人物なのかということが重要になってくる。主人公は華美という女性である。視点は、三人称一…