読書感想文

タイトル通り読書の感想です

2022-01-01から1年間の記事一覧

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 帝国陸軍に於ける学習・序

三人称神視点である。論文ではないので、視点は神視点なのである。勤務先の役所での昼休の軍事教練である。たちまち一個の数に抽象され、人間の安物に具体化される。教練を受ける方は三等兵に他ならない。軍隊にひっぱられてやっと二等兵になる代物である。…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 群猿図

三人称神視点ということか。歴史小説である。神というと誤解がある。テレビ視点とでも言った方がいいかな。とにかく歴史書ではなく歴史小説なのである。犬筑波集。都より甲斐の国へは程遠し御急ぎあれや日も武田どの。そういう歌があって、ここに出てくる武…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 二世の縁

視点は、一人称一元視点である。縁側に膝をついて、切り張りの障子の中へ、先生、入ってもよろしゅうございますか、と私は声をかけた。「私」は聞き役なわけだ。私はそっと障子をあけてオーバーのまま部屋へ入った。部屋に入ったところからストーリーが始ま…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 萩のもんかきや

視点は、一人称一元視点である。そのとき私は萩の町をあるいていた。そのとき、というのは、現在から振り返った特定の時期のことだろう。過去形を強めている。ぶらぶら歩いていた。どのように歩いていたのかを説明している。目的があってすたすた歩いていた…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 結婚

視点は、三人称一元視点である。主人公と思われる人物、あるいは、その人物と密接に関わる人物との、ある時点での回想ということになる。どの時点か、というのは、最後の結末で判明する。小説世界を誰が構築しているかということに注意しなければならず、そ…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 黒い裾

視点は、三人称一元視点である。主人公と思われる人物、あるいは、その人物と密接に関わる人物との、ある時点での回想ということになる。どの時点か、というのは、最後の結末で判明する。小説世界を誰が構築しているかということに注意しなければならず、そ…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 驟雨

視点は、三人称一元視点である。主人公と思われる人物、あるいは、その人物と密接に関わる人物との、ある時点での回想ということになる。小説世界を誰が構築しているかということに注意しなければならず、その手掛かりは、誰が全知であるかということである…

日本近代短篇小説集3 岩波文庫 小銃

視点は、一人称一元視点。小銃を担いだ自分の影を楽しんだ、とる。小銃なので戦争であり戦地である。また、「わたし」は兵士である。影が出来ているということは、天気は晴れである。楽しんでいる、というのは、躍動している様を言っているのであろう。日な…

群像 2021年5月号 〈世界史〉の哲学 「気まぐれな預言者」と「決断する主権者」

未着

群像 2021年5月号 国家と批評 14本を焼く

未着

群像 2021年5月号 嫉妬が大好きなあなたたちへ

未着

群像 2021年5月号 花束

未着

群像 2021年5月号 導くひと

視点は、一人称一元視点である。視点である人物の描写に注意しなければならない。なぜなら、視点の人物そのものが小説世界を構築しているからである。一ノ瀬さんがいなくなりました、という言葉で始まっている。言葉を発したのが主人公である。言葉を伝えた…

群像 2021年5月号 姫沙羅

未着