読書感想文

タイトル通り読書の感想です

すばる 2021年5月号 僕たちはこれからどう生きるか 冬編

一人の人間の生命維持に必要な1秒当たりのエネルギー、90ワット。電球と同じくらい。
あらゆる動物の代謝率は、その体のサイズで決まる。動物の代謝率、体重の3/4乗に比例する。クライバーの法則。
体重が2倍になると、代謝率は1.68倍。
サイズが大きくなればなるほど、必要なエネルギー量は相対的に少なくなる。ゾウはネズミの10万倍の体重だが、エネルギー消費は5600倍。
現代の日本人、一人当たり5キロワットのエネルギー消費。世界平均では、3キロワット(3000ワット)。
必要なエネルギーが90ワット、消費しているのが3000ワット、33.333倍。一人で30人の奴隷を使っている。
堆肥の切り替えし。落ち葉に発酵液。
落ち葉を集めて木枠に押し込み攪拌する。発酵熱で温かくなる。
生物の密集、さまざまな感染。細菌、ウイルス。アイディア、不安、恐怖、生きる喜び。関係の濃密なネットワーク。
理論物理学者ウェスト「スケール」。平均賃金、レストランの数、特許産出数、GDP、それらの指数は都市の規模と相関する。密接に関わっている。
都市人口の1.15乗に比例する。都市人口が2倍になれば、GDP、レストランの数、は2.2倍以上になる。都市規模がわかれば、レストランの数も割り出せる。
社会的ネットワークの構造。相互作用はサイズよりも速いペース。
リンクの数が植える。4人家族、リンク数は6。8人家族、リンク数は28。5倍になっている。
都市は、熱気を生み出すが、反面、ストレスや犯罪も生み出す(もちろん感染症も)。
オンライン空間にするとフェイクニュースが広がる。
スプーン一杯の土の中には50億のバクテリア。人間の脳の神経細胞は100億。スプーン二杯で人間と同じ情報処理。
人間の力で土を作ることは出来ない。100年で1センチの土。土中の微生物の大部分は実体がわからない。
土壌有機物の80%は微生物の死骸。人間が再現できない。
化学肥料を投入しても土は元気にならない。
岡潔、一日一日をどう暮らしていくか。いまは、来る日も来る日も生甲斐を感じない。
戦争が起きなくても地球というというところに住めなくなる。
植物が育たない。常識が狂っている。
宇沢弘文、社会的共通資本。ローマクラブ報告、成長の限界
現在、地球システム全体の変容。
農村環境、自分を越えた尺度との出会い。都市人口が9割を越えていると、そうした出会いがない。
周防大島。みやた農園、無農薬、無化学肥料、不耕起、野菜畑。肥料は海藻、海水、竹。
命に近い仕事ほどお金が動かない。
野菜や動物との感性的な交流。農業は単なる食糧生産ではない。
生産量が増大するが、他方で生産者が減り続けている。
僕は猟師になった、映画。アイヌイオマンテ。自分達が食べる命と向き合う。
世界では、家畜として、ブタ、10億頭、牛、15億頭、ニワトリ、500億羽が飼われている。人間は、地上に生息する哺乳類の95%を家畜にしている。
工業畜産の暴力。
食肉用鶏(ブロイラー)。一羽当たりの飼育面積、A4用紙以下。太陽も空も目にすることもなく、生後51~55日で出荷される。
工業畜産によって支えられた社会が、人に対しての生の実感を尊重するだろうか。
計算とは、人間が機械を模倣すること。
計算機が人間を模倣する研究。人工知能の誕生。
過去が未来を食べてしまう。
計算は感覚、感性から自由にしてくれる。虚数複素平面に酔って幾何学的解釈を可能にした。意味の生成。
感覚に縛られると意味を求めすぎる。感覚を封印すると認識が無意味の領域に伸びていく。
少女がトラックの前に飛び出す。どうなるか計算する。トラックが少女をはねるとという結論に達する。目の前でその通りになる。
少女を生命として感じなかったから。
人間は人間でない生き物に対する暴力には無関心。言葉(英語)は、人間と人間出ないものに対しては峻別する。
人間でないものは単なる資源。
ネイティブアメリカン、ポタワトミ。自然から愛されているという感覚。
封建社会。家。未来を支えるため。
現代。封建社会からの自由。合意による。未来を失ってしまう。新しく考え出された未来が「進歩」。
進歩しなければならないという虚構。
未来への恩返し。いま、こんなに与えられている、ということに対しての感謝する。